2008年08月17日

ホーチミン4日目 その2

徒歩観光のリポートです。

まずは、私の強い強い強い強い・・・希望で、
ベトナムのアーティストの作品を集めた美術館へ。

そこで画集を何点かと、
ベトナムの社会的なメッセージを表現したポスターの歴史の本を買いました。

後は市民博物館や、ベトナム戦争で人民解放戦線が突入した建物などを見ました。
それから、人として行っておくべきだと思っていた、
戦争資料館にも行きました。
もちろんベトナム戦争の資料館です。

美術館も、博物館もすべてに共通して言えることは、
中国の影響の強さと、
ベトナムという国が支配され、鬱屈したものが蓄積していた時代があった、
ということが強く感じられることと、
いかにベトナム戦争の傷跡が深いか、ということです。

絵画は、1900年代初頭から最近まで、色のタッチが基本的に茶色、深緑、黒、たまに赤。
これは、迷彩服の色彩と、ジャングルの色彩と、血の色です。
全体を俯瞰してみたときに、この色彩と雰囲気を感じます。
2000年が近くなるころには、そこに蛍光色が入り始めます。
油絵に関しては隣の上司の発言によれば、
東側のメソッドで使われているらしく、
ベトナムが旧東側諸国からさまざまな影響を受けていたこともわかります。
それから、中国と陸続きということで、
経済的には中国との対抗意識があるようですが、
文化的には少し影響を受けているものもあるようです。
大理石などを彫って彩色した絵などは、中国的な雰囲気がありました。
街角の建物にも、中国風の色遣いや中国の寺院に見られる装飾をよく見かけました。

ちなみに、仕事で会った人から得た小ネタですが、
ベトナムは日本と同じく元寇の攻撃を受けているとのことで
実は日本に親近感を抱いているんだそうです。
日本はあいつらを追い返したぞ、自分たちも大丈夫だぞ、っていう。
ほんとかよ、って思いましたが。。。

最後に、戦争資料館について記しておきます。

ベトナム戦争の記録を残した資料館は、
入り口を入るといきなりエアフォースの模型が置いてあったり、
銃剣や散弾銃などの実物が置いてあったりと、物騒な雰囲気ですが、
ただ一箇所だけ、誰もが静かに見ている場所があります。
それは、枯葉剤の影響を受けた子供たちのパネルの部分です。

戦争が起こる背景には、何カ国かの思惑の違いがあります。
話し合いで決着がつかなくなった最終手段として武力を使うということを、
是とするか否とするか。
価値観の違いだけで片付けるわけにはいきません。
特に、何の罪もない子供たちが、
まったく知らない人からまったく知らない間に
生涯をつぶされてしまうような非情な被害をこうむっている事実を見れば、
余計にそう思うことだと思います。

ここにある、四肢と脳、内臓に影響を受けた子供たちの写真は事実です。
二重胎児として生まれたものの、
ベトちゃん、ドクちゃんが受けられた分離手術を受けられる状況ではなく
(心臓部分が二重になっていたため)
生きることが叶わなかった子供の遺体と、
死んでしまった胎児のホルマリン漬。
これらが皆事実として起こったことであることは、
誰もがわかります。

たとえ、米国がベトナムに対して行ったこととして紹介されていることの中に、
多少の歪曲や拡大解釈があったとしても。
資料館で、そのような発言をしている人が数名いましたが、
それでもこの子供たちのパネルの前では、誰もが黙りました。
言葉にならないとは、こういうことを言うのだと思いました。

街中にも、所々ぽっかりと廃墟になっている部分があるのを時々見かけました。
私は見ていなかったのですが、上司によると、
市場の前に、枯葉剤の影響を受けたと見られる人が立っていたそうです。
ベトナム戦争終結後、30年以上が経っても、
まだ、傷は残っています。

サイゴンが陥落して、30年と少し。
私は陥落したときのことを知りません。
ベトナムが経済発展を始め、サイゴンがホーチミンと名前を変え、
ベトナム経済の中心地として多くの外国人が集う街と、捉えていました。

現地の空気や歴史を見て、私は思いました。
この国の人々が今ひたすらにがんばっている背景には、
この戦争があったからだ。
そう思わずにはいられませんでした。
事実、ベトナムの人口比率は、35歳以上が極端に少なく、
15歳以上から35歳までの人口が全人口の6割を占めているそうです。
それだけのデータでも、
ベトナム戦争でどれほどの人が死んでいるかが分かります。

仕事としてベトナムに来て、
ベトナム経済の発展状況について調べていましたが、
本当はこういうところからきちんと学んで行くべきなんじゃないのかと思います。
出張にもいろいろ種類がありますが、
ただ単に仕事をこなすだけではなく、
社会背景を知るためにも、
こういう博物館や資料館に足を運ぶことは重要だったなと改めて思います。

Posted by fre9 at 2008年08月17日 21:29
Comments
Post a comment









Remember personal info?